top of page

天使の標本

Lyric 恣意セシル

やせた背中から突き出た
肩甲骨に欲情する
見えないその羽根をむしり
この手の中に繋ぎたい

爪をどのくらいの強さで立てたなら
赤くなるだろう?
僕の心
刻める?

やせた背中から突き出た
肩甲骨がいつも僕の妄想のスイッチを入れる
手を伸ばして捕まえ
壊れるまで暴いて
髪の一筋も残さずに汚したい

この気持ちだけが本当の
依るべきものだと思うよ
あの日のキスは戒めで
本当にしたいことじゃない

唇をどんな強さであてたなら
赤くなるだろう?
「僕の」シルシ刻める?

やせた背中から突き出た
肩甲骨がいつも僕の妄想のスイッチを入れる
見えない傷をつけて
他の誰が君のその心を手に入れることも許さない

狂い咲く花の香りに惑うように ああ
心も正しさを失くしてしまえたら

翼の痕なぞって
熟れた石榴が割れるように
君の背中に羽根が生える
遠くで揺れる光
ぐらつく意識のまま
駆け出してもきっと届かない

やせた背中から突き出た
肩甲骨がいつも僕の妄想のスイッチを入れる
手を伸ばして捕まえ
壊してしまいたいよ
そうして世界を閉ざしてしまえ

笑わなくなった君
うろんな部屋の中で
絶望の足音がこだまする
閉じ込めて隠しても
抗えない「現実」
君の影がはがれてはばたいた

bottom of page